三浦綾子さんの『氷点』、前から知っていたのに読んでなかった。
でも、なぜか急に読む気になってブクオフへ行きました。

読んでみた結果は・・「ほんとーに読んでよかった!」

こんなにも自分というものを考えさせられた本はなかなかないです。
本を読むと何かしら考えることを与えられるけれど、それは大抵非現実的なことで、ふわふわした感じがする。だけど今回は、ちがいました。

たぶんそれは、人間のリアルさ、特に人間の「原罪」に対して三浦さんが分かりやすくこの小説で示してくれたからだとおもいます。登場する人物の感情、考え、内面の揺れ動きというものを、これほどまでに描き出している小説は初めて。

そしてそこに描き出されている人間は私自身でもあるように感じました。
昔から「こんな浅ましいことを考えるなんて・・」と思うことが何度も何度もあったから、こんな自分を誰にも知られてはいけないという罪悪感があったり。周りの人たちがあまりに清潔に見えて、とても恥ずかしかったり。自分をできるだけ、外の環境に近づけようと努力したり。 服装のような小さな事からなにからなにまで、本当の自分を隠すためにできることはなんでもやったこともありました。くつしたとか。だけど、そうすることによってどんどん本当の自分がいつわりの自分に重なってしまって、よく分からなくなってしまったり。今でもよく分からないかもしれない。いや、分からない方がいいかもしれないとも時々考えます。

「自分の浅ましさ、罪を隠すために人間はなんでもやる。」

これが『氷点』で描かれています。人間は私だけじゃない。地球上にいっぱいいる。今まで清潔だと考えていた人たちも、人間だ。じゃあ、私は一体何から自分を隠そうとしていたんだろう?
人間はだれしも罪を背負っているというのがキリスト教の考えで、それが本当なら、そして『氷点』に描かれていることが真実なら、私が今までやってきたことは一体なんだったんだろう?

こんなにも馬鹿馬鹿しいことを私は小さいころからしていたのか・・・と。
人間であるってことは、本当にわけがわからなくなってくる。

「人間が人間を裁くことは、人間のおごりだ」という説教を教会やなんかでよく耳にします。やっとその意味が分かったような気がします。神様がいるとかいないとかそういうことは分からない。でも、神様のように全知全能でなければ他者を裁くことはできないんだろうな。

ほんとの意味で人間として生きるって本当に難しいことなのかも。

三浦綾子『氷点(〔正〕上)』角川文庫
三浦綾子『氷点(下)』角川文庫

先月は大学のレポートのせいで多額の本代を出費してしまった。
今月の生活は苦しそうだ・・・

ということで、いらない本を古本屋さんに得ることにしました。
初めての本棚整理なのでどれくらい集まるか分からなかったけれど、もう読まないだろうと思われる本をあわせると70冊以上になった。

一冊いくらくらいで買い取ってもらえるのかな?
いらない本達だけれど、今まで近くに存在していたものがなくなっちゃうのは寂しい。

細雪 (上)
細雪 (上)
谷崎 潤一郎 

谷崎潤一郎の『細雪』を読みました
一度はまると、現実世界に戻ってこれなくなるくらいです。
すごく居心地がいいんです。昼寝がしたくなります。
お花見のシーンはとろけます。
遠藤周作さんの『わたしが・棄てた・女』を読みました。
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